21 キックなしでラクに進む!
6キックなしで前に進む練習です。
18と19のドリルをマスターしてからやってね。
下半身が沈む人はプルブイを使用↓
プルする時は、肩の内旋を入れるのがポイントです。これは、キックなしクロールに限らずです。
教本では肘を立てるとよく言いますが、その通りにやっても私は、水の引っかかりがいまいちよくならなかった。(肩関節の可動域が極端に狭い為)そこで、体の扱い方を運動学的に考察した結果、内旋しながら引くんだ!と意識すると、引っかかりが良くなることを発見しました。あ、専門的な表現でちょっと分かり難いかな?
わかりやすく言うと・・前にピンと伸ばした(グライドした)腕を、脱力する。すると肘が若干曲がるでしょ?そうしたら、そのまま体幹の回転に合わせて肘を外に張り出して引くんです。※引く時は、決して脇を締めないこと!脇を締めると内旋しません。脇が締まっていくように見えるのは、体幹が回転するからです。
ちょっと待って!これじゃ手が大腿付け根までこないよ?胸の辺りで終わっちゃうよ?
それは、しっかりローリングしていないからなんですね。腕だけでプルするとそうなる。
あくまで体幹の回転に合わせて引くのが前提なんです。
体幹の回転+引くという2つの動きがあるから、私のようなストロークになるんです。↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm27913622
さて、
プルに使われる筋肉は広背筋です。(広背筋については47記事で詳しく述べています)一番パワーのある筋肉でプルすれば全然疲れません。
そしてもう一つ。プルの最後、肘を伸ばしきらないことです。フィニッシュをするなという意味ではありませんよ!お間違いのないように!
広背筋でフィニッシュ!
つまり、フィニッシュは上腕三頭筋では行なわないようにするんです。上腕三頭筋という小さな筋肉を使うとすぐバテます。長距離短距離問わず、スタミナ切れにならないようにする意味で、意識する筋肉を変えてみるのも一つの方法です。
補足!
私の言う『広背筋でフィニッシュ』とは、肘を伸ばし切ることではなく、肩(上腕)を内旋し切ることです。ちなみに私の場合、肩関節の内旋域がかなり狭い為、肩甲骨を挙上回旋させています。こうして上腕全体を内に捻っていけば、力を抜いた反動で自然に外旋(リカバリー)していきます。
広背筋に一瞬だけグッと力を入れ、すばやくプル動作は完了し、反動でそのままリカバリーする。SLの車輪をイメージすると解りやすいかな?大腿の横では、決して動きを止めません。止めるなら頭の横です(サメのポーズ15参照)。
この内旋によってバネの効いたフィニッシュ~リリースになり、力を抜いた反動で外旋(リカバリー)が可能になります。また、体幹が自然に回転します。ナチュラルに体と腕が連動するんです。
あれ!?前の記事では、重力によってとか、肩を前に突き出すとか、腕の落下などと言ってたけど?毎回言うことがコロコロ変わるけど?
実は、クロールという泳ぎは、左右非対象の運動なので、左右それぞれの動作が組み合って体幹が回転しているんですね。だから答えが複数あるんです。これについては、タイミングと題して後日取り上げたいと思います。
※ラクに速く泳ぐには、シュッと素早く斜め前方へ入水して、脇の下を伸ばすことが重要です。
次回は体幹を安定させ、さらに推進力を高める2ビートキックの話をしたいと思います。
20 常識を超えた息つぎの練習
息つぎ。
大人から水泳を始めた人を泣かせる息つぎ。なにしてもうまくならなかった人!このドリルお試しあれ。むろん、前に進まなくてOK。
もちろん、プルブイを使っても構いませんよ。
※18と19のドリルをしっかり理解し、マスターしてからやってね。↓
[訂正とお詫び]
難しいじゃないか!と思われた方、ごめんなさい!
肩を枕に見たて、肩に頭をくっつけようとすると、伸ばす手が内側に入ります。それを防ぐ為に、手の平を内側に向けるようにしていたんですね。ところが、肩と頭をくっつけるとアゴも上がり力みます。なので、頭と肩は離して下さいね。
これは私の誤りでした。私自身、従来の常識に囚われていたことに気付きました。常識は本当にやっかいですね・・。→17記事の補足も併せてご覧下さい。
とはいえ、
腰のローリングなしに息つぎは出来ませんよ!
このことを知ってれば、なるほど!と思うはず。なにも難しいことはない。ローリングの勢いで、横を向けば、できちゃったとなります。なんでこのドリルを誰も考えないのか、本当に不思議です。
だってみんな、従来の型にはまった練習しかしないんだもん。そして、今だにビート板もって息つぎやってるのを見かけますが、ローリングをわざわざ制限してまですることなんだろうか?初心者には酷すぎじゃないか?
あれは私でも難しいよ!
そりゃクロールが嫌いになるって・・。ビート板使うより、プルブイ使って練習したほうがいいと思います。あと、顔を上げて息つぎをする人が多いけど、これはおそらく、ビート板息つぎの名残りだろうね。
息継ぎの練習というよりも、ローリングの練習をしたほうが早く上違します。
常識の枠を超えて、
型破りなことを平気でやれる人は得をすることもある。
次回は、キックなしでちゃんと前に進む方法を紹介したいと思います。
19 ちっとも進まないクロールの練習です。ん?
つまり、キックなしクロールの練習です。
ああ、キックを使わないんだから進まなくて当たり前か・・。え!?まてよ?んなことないだろ!あんたの言ってることがよくわからん!
そうあなたは思うでしょ?でも、ほんとに進まないクロールを練習するんです。これにはちゃんと意味があるんです。とりあえず動画の説明から。
人間が走る時、腕を振りますが、この動きをクロールに応用します。注)マラソンやジョギングじゃなくて、短距離の腕ふりね。
キックは一切使わず。肋骨を広げて肺をしっかり膨らませて浮く。(12月15日改訂)苦しくなったら立つ!足が沈む人はプルブイを使用。※前回のドリルと併せてやってね。↓
動作はゆっくり。あわてない。前には全く進まなくてもOK。なぜかというと、進もうと思うと人間、本能が出て一生懸命になるから。あと、この状態が息つぎしやすいからです。
水泳を学習する時はとにかく落ち着いて、ゆっくり動作で練習するといいんです。もがきを覚えてしまっては、元も子もない。ほら、ゆっくりした動きの太極拳を思い出してみて?あれ、なんでゆっくり練習するかというと、ゆっくりでないと感じとれないものがあるから。クロールも同じく、ゆっくりした動きを身に付ければ、重心移動を感じとれるようになります。これを感じとれるようになれば
上級者に仲間入りできますよ!
このドリルに、勝手に名前を付けてみました。走るから”ラン”。う~ん、もっといい名前ない?誰か、このドリルに名称をつけてください。コメント頂ければ、ブログ記事で使います。このドリル、2ビートキックや、息つぎにも応用が効く、マルチなドリルです。ぜひ試してみて。
次回は息つぎ。どんな方法で練習してもうまくならなかった人必見ですよ!
18 キックなしクロールことはじめ
キックなしクロールの練習!
※2ビートキックを本格的にマスターする前にも、キックなしクロールを練習することをぜひおすすめします。
ここからは、私が実際に練習した中で、一番効果があった練習方法を紹介したいと思います。あくまで、私が試行錯誤をして考えたドリルなので、全ての人に効果があるかは分かりません。ご了承くださいね。参考にしてもらえばいいです。
水面に伏し浮きで、足先までしっかり浮いていることが前提です。口すっばく言いますが、08の浮く技術を実践してね。キックは一切使いません。両足は、自然に伸ばしたまま。どうしても浮けなかったら、プルブイを使用するのもあり。浮いている時は、プール底を見ます。息は吐きません。止めて行います。なお、苦しくなったら立つ。肺に空気を詰め直したら再び浮いてくり返します。
今回のドリルの目的は水をとらえること。なにしろキックを使わないわけだから、効率の良いストロークが必須となります。その第1歩です。
動画はシャドーでやってますが、実際にプールで浮いていることをイメージ。↓
14で説明した水の性質を最大限に利用するんです。水の反作用です。手の平側だけでなく、手の甲側にも抵抗を感じるように!ちなみにこれやると、肩のインナーマッスルである棘下筋が適度に鍛えられます。
でもでも、こうやって動画の中の自分を見ると、ちょっと笑えてきます。変てこな格好をしたおっさんが、変てこなダンスをしてるように見えて。あはははっ!自分で笑ってどうする!
でもね、このドリルほんとに効果ありです。騙されたと思ってやってみて。やってみないと、良しあしは判断できないでしょ?このドリルをやると、今までのスカスカ感とは明らかに違います。水に体を委ねる・・ではなく、腕を通して水に体を支えてもらうんです!そんな感じで練習できたら最高です。
このドリルは、最近の教本でもドッグプルとか、ドッグパドルと言う名前で紹介されています。
次回は、進まないクロールを紹介したいと思います。え?意味不明!いやいや、ちゃんと意味のあることしか私は紹介しないから大丈夫。
17 オーバーローリング
17記事に加筆してお届けします。というのも、斜め前方に伸ばす時に発生する問題点が、やはり後を立たないからです。深く理解する為に、再度目を通して頂ければ幸いです。
過度に頸椎をねじるということ
体幹が回転するということは(09参照)、頸椎にねじりの力が加わることを意味します。あまり頻繁に可動域を超えたねじりの力が加わると、骨同士がぶつかり合い
骨棘を形成させる原因となります。
10代の頃は体が柔らかいので気になりませんが、還暦を迎える頃は、ほとんど、椎間板が弾力を失っており、簡単に骨同士がぷつかります。私も以前、クロールをカイゼン中、オーバーローリングをくり返し、今でも首の違和感が取れません。また、肩関節にも過剰な負担がかかります。特に、三角筋後部は肩関節の中で一番弱い部位です。そこを酷使することになります。というわけで、オーバーローリングを防ぐ方法がこれ。↓
また、実際のスイム映像、47記亊の動画『コンビネーション』をご覧になるととてもよくわかります。
この方法、じつは背泳ぎのリカバリー技術の応用なんですね。背泳ぎのリカバリーの腕は天高く伸ばすので、ゆっくり動かすとブレやすいんです。それで、アゴと肩をくっつけることにより腕を安定させるんです。また、より前方に入水が可能になります。これは、競泳日本代表の入江選手もやっています。クロールにも同じことが言えるんですね。
ちなみに、前を見ようとアゴが上がると、肩とアゴが離れてしまい、余計に前面から水の抵抗を受けます。07のコメントで言いたかったのは、この事です。
[補足]
私の言うアゴとは、アゴ先ではなく、ほっぺた辺りです。
ただし、肩をアゴにつけようと強く意識しすぎると、頭が肩の方に動いてしまい、軸ブレの原因になります。
なので、脇の下を伸ばします。すると結果的に肩がアゴにくっつくんです。
え?くっつかないよ!という人もいるでしょう。それは・・腕の下げすぎが考えられます。
腕の伸ばす方向を斜め下と意識すると下げすぎになり、やはり肩が落ちてしまいます。つまり、オーバーローリングになりやすい。伸ばす方向はあくまで斜め前です。角度にすると、ちょうど時計の4時方向です。3時半でも構いません。
もちろん進行方向、肩の延長上にまっすぐ伸ばす。内側に入らないよう気をつけます。(オーバーローリングの本当の原因はこれ)
注意!! 息つぎで顔が横を向く時は頭から肩を離してください!くっつけようとすると、内側に手が入ってしまい蛇行します。
よく従来の指導で、肩を枕に見たて、枕の上に頭を乗せましょう!というのがありますが、完全に誤りです。だいたい息つぎ時に、肩と頭をくっつける動作自体、力みを生みます。私も以前これを信じてやっていましたが、ビデオで見ると、息つぎ時アゴが上がってしまい、腕もがまんして伸ばせなかった。このクセを直すのにかなり時間がかかっています。
補足2
競泳選手は前方の腕を水面に平行に伸ばしていますが、これは泳速が上がっているから可能なのです。息継ぎでも前方の手が下がらないのは、前方からの水圧により水に乗っているからなんですね。水に腕を支えてもらっている訳です。
対し、ゆっくり泳ぎや、泳速の遅い初級者は、前方からの水圧が弱い為、水に乗れないんです。だから腕が下がるんです。ならば最初から腕を下げればいいんです。(47記事ゼロポジション参照)
16 重心を感じる!
重力を体験する
いきなりですが、動画をどうぞ↓
なんだい?遊びかい?はい、そうです。私だってたまには、ふざけたこともやってみたくなるよ。
水面上にある物体(腕)が水中へ移動する。落下していくと言ったほうがわかりやすい?体をうねらせ、そのまま突っ込めば、片手バタフライにも移行できます。
もしあなたが、バタフライを泳ぐスイマーなら、どのように泳ぎますか?例えば、1500mをバタフライで泳げ!と命令されたらどうやって乗りきろうと思いますか?筋力だけでは到底無理でしょう。重力(と浮力)を活用してこそ、成し遂げられるんです。
クロールに限らず、4泳法すべてに言えるんですが、その重力という力が体幹を回転させたり、うねらせたりするんです。
地球上に存在しているパワーを活用しなきゃ、ほんとにもったいない!と、手足に障害のある彼らは教えてくれます。この考えは従来の水泳を大きく変える可能性を秘めています。(←すぐ大袈裟なことをいう!)
しかし、身体を使っていろいろ遊んでみるのも一つの方法だよ。プールに入ったら、お行儀よく4泳法を泳ぐ。水中ウオーキングをする。大人は皆´決まったことしかやらない。それに比べ子供達はいろいろな遊びをする。
私たちも、もっとくだけて身体で遊んでみよう!
そこから新たな発見をすることがあります。何も恥ずかしいことではないですよ!本当に泳ぎがうまくなりたいと思えば。
次回は久しぶりに医学の立場から話そうかな?(←医療従事者復活ですか?)
15 サメになろう!
抵抗の少ない姿勢とは?
水の密度は空気の840倍です。水中を前へ進むことは、それだけ抵抗を大きく受けることが想像できます。なので、前から見た時の断面情を少なくする必要があります。↓
〔補足]
動画では、エントリーの手の平が外を向いていますが、親指入水!と意識しているわけではありません。誤解のないように ! 肘から先を完全脱力すると結果的に外を向くだけです。なので、手の平の向きは意識しないで下さい。
どうしても脱力出来ない時は中指入水!!と意識して下さいね。
クロールを泳ぐ時の形状抵抗の少なさで言えば、サメのポーズが一番ではないか?私はそれを実感します。サメのポーズをとると、壁を蹴ってキックなしで25mプールの半分までいく程です。
また、きれいに見える、大きく見える人の泳ぎは、腕を前に伸ばす時間がとても長いんです。いわゆるグライドが長いんです。本当に滑るように前に進んでいます。
滑る。これは、抵抗が少ないから実現可能なんです。
そして、矩距離種目でも動きが速いので気づきにくいのですが、一流選手は皆ななめ前方に腕を伸ばす(正確には肘を立て前腕だけが斜めになる)まをとっています。入水して、いきなりプルする選手はいません。
※サメのポーズで浮く時は、08で紹介したように脇の下を伸ばし大きく吸ってから浮くと楽です。下半身がどうしても下がるならプルブイを使ってもいいです。
左右それぞれやってみると、なにか違う気がしませんか?それは、肺の大きさが左右違うからです。この違いが分かるくらい、感覚を磨くと上違は速くなります。
おっと忘れてた。前に伸ばす腕は斜め前方(ゼロポジション)です。水面に平行に伸ぼすと、体が斜めになりません。
また、腕が頭上にまっすぐ上がらない人は、必ず斜め前方に伸ばします。このような人が水面に平行に伸ばすと、必然的に下半身が下がります!
斜め前方に腕を伸ばす理由はいくつあったか?もう納得できたでしょ?
次回は重心を感じる方法を紹介したいと思います。
14 キャッチのメカニズム!
今回は、重要な話です!
おそらく、水泳をやっていくなかで一番悩むのがこれではないでしょうか?『キャッチ』。水をとらえる・・。私にとってキャッチは難解でした。
昔の私はこれがなかなかできないで苦しんだ・・。しかしこれは、思い込みが邪魔していたんです。何冊か買った教本に書いてあることを信じて、疑わずにそのとおりにやってた。10年以上前の教本だけど、あれじゃいつまでたってもできるわけない!ってことがわかったよ。
今だから言えるんですが、昔の私はズバリ、1軸クロールだった。ローリング角度が大きい、いわゆるオーバーローリングだったんです。
肩関節がめちゃ固い私が、ロール角が大きいままハイエルボーなどやろうとするからおかしな事になっていたんですね。私がハイエルボーをやろうとするには、体を完全にフラット(ローリングしない状態)にしないと出来ない。これではまともなクロールなど泳げやしない。
ハイエルボーが出来ない私が、ローリングしつつしっかりキャッチするには?以下のビデオをご覧ください。流体力学的な根拠がなきゃ、わかんないのです。↓
※引き寄せられ効果。専門用語ではドラフティング効果と呼んでいます。
引き寄せられ効果を利用してキャッチするには、水中へ斜め前方に腕を伸ばせば(グライドすれば)いいんです。この時はもちろん手の甲側に水がぶつかってくる。
(※選手のグライドは、手先が水面ギリギリをキープしています。つまり手の平側に水の抵抗を受けている。だから揚力が生じる。ただし、これを行うには、肋骨を大きく広げることが大前提。
肋骨が大きく広がらないと、下半身が下がるもしくは、背中が反る原因になる。私は選手ほど広がらない為、水面にキープしない。その為、選手ほどの揚力は発生しない。)
そして一瞬脱力するんです。すると肘は緩む(肘を意図的に曲げるのではなく、ニの腕の力を抜く)。また、腕は手前に若干引かれる。だって、グライド時グーンと大胸筋と広背筋を伸ばしてる(すなわち肩甲骨を挙上している)んですからね。大胸筋と広背筋が弾力で元に縮む(肩甲骨かがニュートラルポジションに戻る)わけです。すると今度は、手の平側に水の抵抗を受ける。これがキャッチ。
そして、すばやく漕ぐ。
漕ぐ??
そう、漕ぐんです!
私は今まで、内旋しながら引く!と表現してきました。確かに運動学を理解出来る人にはこう伝えたほうが解りやすいんですが、一般の人はピンとこないですよね。(医療従事者のよくないところは、専門用語を使うことですね)
そう、手漕ぎボートのオールで漕ぐイメージです。
いや、カヤックの漕ぎでもいい。
引くと書くと、肘からどうしても引いてしまう。また、かくと書いてもしっくりこない。
漕ぐと書いてみると、あっ!と思った人もいるのでは?
漕ぐというのは、オールを立てた状態で動かすでしょ?
そう、肘から先全体を立てる。前腕を立てる。これがよくある表現、『肘を立てる』です。
キャッチするには、
肘から先をオールだとイメージすることが一番大切なんですね。
オールを立てる。そして漕ぐ。
これが水に乗っかるということ。
このようにキャッチを重視するんです。これを前ピーク(初動負荷)のプルと言います。
従来からあるやり方に、スカーリングしながら、始めはゆっくり、後半は加速して押す。とあるんだけど、要するにフィニッシュ重視なんだね。水を動かしながら(水を逃しながら=揚力を発生させながら)プルしているわけなんです。これを後ピーク(終動負荷)のプルと言います。
もっと簡単に言うと、感覚的にプル前半は『引く』になり、プル後半は『押す』になるでしょ?
プルの前半後半どちらを重視するか?と言うのは、広背筋主役にするか、上腕三頭筋主役にするかの違いです。
私は、もちろん『引く』を重視します。理由は、大きな筋肉(広背筋)を使えるからです。『押す』は、小さな筋肉(上腕三頭筋)を酷使するからすぐ疲れるんです。
というわけで、伸ばした腕を、すぐに下げて(プレスダウン)徐々に後ろへかかないように!しばらく静止(グライド)する。かくのを『がまん』するんです。そして、一瞬カを抜いてすばやく漕ぐ。メリハリが大切。
少々専門的になりますが、『水の抵抗は速度の2乗に比例する』。
素早くプルすれば、それだけ手の平側に水がぶつかってきます。ゆっくり動かせば、ぶつかりも弱くなる。つまり、スカスカになる。
というわけで私が、選手のようにハイエルボーが出来なくとも水をとらえられるのは、素早く動かすことで得られる、ドラフティング効果を晟大に活用しているからです。初動負荷 型のプルです。
ついでにS字プルですが・・。理想のプルは、キャッチしたらいっきに大腿前面まで移動させることです。これはゆっくり泳ぐときも、速く泳ぐときも同じです。
余計な動き(S字プル)をすると、それだけ時間をかけることになり、前に伸ばす腕とのタイミングがズレます。つまり体幹の回転を殺すことになります。
10の空手を思い出してみてね。ズレた分、残りは腕力で水をかくことになる。シンプルに動かせば(I字ストレートプル)体幹と連動し、水を動かさずに体だけを前に進めることができます。
補足!
私の実践しているストレートプルは、(左右方向の)揚力を使いません。これは、ふしうきが出来るつまり、フラットに浮いていることが前提だからです。
私の場合、ふしうきで足が浮いているから、プルの揚力で浮かせる必要はないんですね。
特にキックなしクロールで揚力を使ったら、かえって下肢が沈みます。
よく学生さんが、プルブイ挟んでキックなしクロールを練習しています。が、足が沈んでいる人が結構いる。プルブイ挟んでいるのに?原因は、胸郭が固いのに、手先を水面にキープしようとするからなんだね。まさか、ふしうきが出来ないわけじゃないよね?そう信じたい。
揚力は上半身を浮かす為のものです。結果、反動で下半身は下がります。それを補おうとバタ足で頑張って下半身を浮かせるんだから・・。先程も述べましたが、肋骨を大きく広げないから足が下がるんです。
それに、ふしうきでフラットに浮けるのなら、わざわざ揚力を使う必要はないでしょ?
いや要るよ!ボディポジションを上げる為にね。
それは、泳速が上がれば自然に浮き上がるよ。腹圧を意識して息を止めてごらん?私はそれだけでぐんとボディポジションが上がる。何も手の平の揚力に頼らなくともいいんじゃない?
ついでに、大人の方は?やっぱり揚力が発生している。それは水面に平行に腕を伸ばすから。胸(上半身)に水の抵抗を受けている。だから足が沈む。そりゃそうだよね。水面に平行に入水したらすぐ水を下へ押さえてしまうんだもの(プレスダウン)。後重心になる。
この原因は板キックにあるんだよ。やはり、ふしうきや片手万歳を練習して、体を伸ばす(肋骨を広げる)姿勢を学習したほうがいいね。
ちょっと待った!だから板キックで腕を伸ばしてキックするんじゃないのか?
いいえ、板キックというのは、うでを伸ばして板を押さえるでしょ?胸郭や肩周りの柔らかい人は問題ないけど、肩が固い大人がやると余計に大胸筋と広背筋に力入るでしょ?そして肩周りが固まって凝ってくるでしょ?どんどん脇の下が縮こまってしまうよ。この体の使い方をクセにすると、いざスイムで入水した途端に必ず腕が下がる。がまんして前に伸ばすこと(グライド)が出来なくなるよ。
グライドというのは、肋骨を広げ大胸筋と広背筋を伸ばす(脇の下を伸ばす)行為なんだ。脇の下を縮めるんじゃないんだ。
グライド。脇の下を伸ばすから足が浮くんだ。板キックをやると、かえって足が沈むんだよ。
指導者も、ふしうきと板キックの体の扱いに、雲泥の差があることに気付いていないんだよね。いいかげん気付いてほしいよね。
指導者は、ストリームライン!ストリームライン!と言いながら、ふし浮きを重視せず板キックで下半身を浮かせようとしてる。これじゃいつまで経ってもラクに泳げないよね。
ラクに泳ぎたい大人にとって、板キックは本当に必要なの?
私が板キックをやったら肩が凝って、いざ泳ぐとストロークがギクシャクするよ。
板キックというのは、体の柔らかい選手が、もっと速く泳ぐためにすることであって、少なくとも体の固い大人が真似することじゃないよ。
大切なのは、板キックじゃなくて、脇の下を伸ぱしてグライドするということだよ。
お~い。まだ納得できないな。グライドで水に乗っかるためには、水を押さえないとあかんのじゃないのかい?だから水面に平行に伸ばすんじゃないのか?だからビート板使うんちゃうか?
水に乗っかる。それはグライドじゃなく、キャッチのときだよ。
グライドで乗っかるというのは、肋骨が柔らかい人がやるから、そういう感覚なのであって、固い人がやると足が沈むよ。
私の場合、グライドの感覚は、水を下へ押さえるのではなく、脇の下に体重をかけて、水を前に押す感じになる。下へ!下へ!ではなく、前へ!前へ!だよ。
ラクな水泳というのは、前に体を伸ばすのが最も重要。これが前に体重をかけるということになる。
次回は、またまた重要な話。というか、私は毎回重要なことしか話しませんが・・。キーワードは『鮫』。あなたも、私がどういう意味で話そうと思っているか推測してみて?
13 前のめりの姿勢
腕力を使わずに、他の力を利用して泳ぐ。
では、前回に続き、前に伸ぼす手はなぜ斜め前方に伸ばすのか?です。↓
重心移動には、上から下(11の動画で説明済み)、左右、それに前後もある。三次元的にお互いが絡みあってる。実に奥が深い。
キックをしない、水をかかない。それでも前へ進むのは、重心が移動するからだったんだね。改めてそう思いました。
ちなみに私は、逆再生クロールを時々泳ぐのですが、完全に重心移動の世界です。↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm27734366
だって、後ろに進むわけだから、キックはいらないでしょ?しかも腕力で水をかこうとすると、簡単に曲がってしまいます。
皆さんは、重力の存在を意識したことがほとんどないと思います。重心移動は、なんとなく頭では分かってると思うんですけど・・なかなか体で実感できないよね?
じゃあどうやって重心が移動してるのが実感できるのか?その方法は、後日紹介したいと思います。
さて次回ですが、これを見なか⊃たら、かなりもったいない内容です。タイトルは『キャッチ』。このメカニズムに迫ります。
12 前に伸ばす腕はなぜ斜め前方なの?
あなたは、スタビライザーという言葉を聞いたことがあり
ますか?メカに強い人ならわかると思いますが、姿勢安定化装置のことです。姿勢のフラつきや、ブレを防ぐしくみです。
ほら、わかりやすいところで言えば、デジカメや、ビデオカメラのブレを抑えるしくみがあるでしょ?ジャイロもそう。そして、スポーツカーの後ろについているスポイラーもそうです。
で、今回は・・入水して前に伸ばす腕は、なぜ斜め前方なの?の解説です。↓
いろいろ探求すると数々のことが見えてきます。アホなくらいにこだわるのは、私の性分だから許してね。
でも、自分の好きなことなら、もっと深く知りたいでしょ?なぜ、そのようなフォームなのか?納得した上で取り入れたほうが上違も速いと思う。納得いかなければ、試す気にならんもんね・・。
斜め前方に伸ばすのには、まだ他にもたくさん理由があります。今回の動画では、あえて指摘してないですが、次回その点を取り上げてみます。
11 クロール推進力のメカニズム
私はメカニズムを学ぷことが好きな人間。ガキの頃から、なんで車は走れるんだ?なんでヒコーキは空を飛べるんだ?そういうことに、興味深々だったんです。
メカニックになるのが夢だった。(航空機設計関連の仕事に従事してた。)
自動車のプラモデル等、よく作りました。ラジコンカーは、古くなったらバラしてまた組み立て直したりしてた。ビデオデッキや、カメラもバラした。ほんと、探求心旺盛でした。自分で、しくみが理解できないと納得いかない。
というわけで今回は、あなたが納得できるように解説してみました。クロール推進力のメカニズムです。↓
入水~グライド時は、肩甲骨を使って肩を前に突き出します。(意識としては、脇の下を伸ばす)こうすると、自然に体幹が回転します。
そして、肘を伸ばした勢いつまり、惰性の力で体は前に進む。
だから、プルに力は必要ないんですね。
ちなみにプルは、ストレートプルになる。
これは、10の空手の記事で説明したように、入水する腕とプルする腕は、同時に素早く動く必要があるからです。
本当にS字にかかなくてもグングン進むんです。
”もぐらが穴を掘っている”と評された泳ぎには、ちゃんと理由があるんですね。
キックを使わないで勝負したら、おそらく学生さんと互角に競いあえるでしょう。少なくとも、水泳部に所属していた頃の私よりは、速く泳げます。
次回も引き続き、クロールをメカニック(←いつのまに医療従事者をやめてるんだい?)の視点から見ていきます。タイトルは『前に伸ぼす腕はなぜ斜め前方なのか?』です。あなたも考えてみて?
[ 7日5日一部改訂]
10 空手パワーをクロールに活かす!
推進力は体幹の回転から生まれる・・。
ん?いまいちピンとこないな。よくわからん!昔の私はそう思っていました。重心を左右に乗せ替えることは頭ではわかってましたが、体でなかなか実感できずにもがいてた・・。けっ! なにが体幹だ!半ば、ひねくれてました。あーあ、他のスポーツでも見てくるか・・。
私は他のスポーツもよく見ます。ある時、空手の選手が、コーチの指導を受けているのを目の前で見ました。ひょっとして?何がを感じたんです。そして、家に帰って突きをやってみたんですね。
あっ!そういうことか!それがこれです。↓
※TNRをうまく利用します。TNRは、興味があれば調べてみて下さい。
空手の突きをクロールに応用する。
そのポイントは、突き手(入水する手)と引き手(プルする手)
を同時に素早く動かすことです。
補足!
いくら素早く動かすと言っても、文字通り空手のように、目に止まらぬスピードでプルするわけじゃないよ。私のスイムの動画を参考にしてね。
私がなぜ空手を引き合いに出すかというと、体幹の動きが腕に伝わることを言いたかったわけですね。クロールというのは、体幹の回転と腕の動きがシンクロしないとラクに速く泳げないんです。
なぜ、空手は突くときに反対側の手を後方に引くのか?それは体幹の回転力を腕に伝えやすくするからなんですね。試しに、片側の腕を使わずに突きをやってみると違いがよく解ります。
あなたも突きをやってみてください。体幹も動かしてみると、なにか感じるはずです。
今までなんで気が付かんかったんだろう。鳥肌が立ったのを覚えています。それ以来、いきなりスピードを出せるようになりました。筋力のない私が、力強く前に進んでる・・。少し前までは想像もしなかったことです。
きっかけとは、そういうもんなんだ・・・もしあの時、空手の選手に会わなかったら・・?今でも体幹のパワーなど知る余地もなかったでしょう。感謝!
次回は、私が速く泳げるようになった秘訣である”体幹の回転”が、どう推進力に結びつくのか、運動学的に捉え、そのメカニズムに迫ります。
09 ローリングについて
今回から、少しくだけた文面で書いてみようと思います。というのも、こないだ友人から、ちと、堅すぎるんじゃないか?って指摘されたんです。読み返してみれば確かに・・何カッコつけてたんだろか。反省!気もち入れ替えました。
今回のテーマは、クロールのローリングです。
その前に、私がどんなクロールを目指すのか、まだ書いてなかった。
『キックに頼らず、いかにしてラクに!速く!泳ぐか』です。イメージとしては、モーターボートのごとく6ビートキックで進むクロールではなく、水面を滑るカヤックのようなクロールです。要は、ぜいぜいハアハアと息を上げず、スマートに泳ぎたいんですね。
動画見てもわかると思いますが、私はかなり痩せてます・・。筋肉ないし、骨と皮だよ。そんな私でも、速く泳げるのか?そんな感じで自分に挑戦してます。これが今の泳ぐ目的です。
さて、ローリングです。細かい説明はあえて省略します。大丈夫!教本通りの知識は知らなくても。回を追うごとに自然と解ってきます。誤解のないように言いますが、ローリングと言っても、私は肩だけのローリングはしないです。つまり、体幹は捻らない。必ず腰と肩を連動させて回転させます。↓
※実際に浮いて練習する場合ですが、肩の突き出しは背浮きでやってくださいね。背泳ぎの練習に使えます。バランスを取る為にキックを入れてもいいです。ストロークを加えるのであれば、伏し浮きで可能です。
クロールの推進力は、体幹の回転から生まれる。
あなたもこれに早く気付いてほしいです。腕力で水をかかなくてもグーンと前に進むことを・・。
今回は、簡単に概要だけで終わっちゃいましたが・・。推進力の具体的なヒントは、次回から本格的に紹介したいと思います。
次回からの記事を見逃すと、本当に損をしますよ!ぜひ見て下さいね。
追記
肩~腰のローリングを45°~60°の範囲で、しっかり行ってほしいということです。体幹主動で泳ぐと、プルがとてもラクになり、肩を痛めるリスクも減ります。
でも、ローリングできないんだけど?平べったい泳ぎになるんだけと?どうしたらいいの?
それは・・腕の入水後、しっかり前に伸びることです。
大半の大人の特徴は、肘を伸ばしていないこと。入水してもまっすぐ肘を伸ばしきっていない。これが原因で体は回転しない。
ローリングというのは、一方の肩が水面下に沈む(もう他方の肩が水面上に出る)から生じる。
コツは、肘を伸ばしながら肩も前に突き出すことです。
詳しくは、11記事のビデオを参照。また、54記事にも、グライドのことが書かれています。
08 浮く技術 !
以前の記事 03 で予告したように、今回は技術的なお話をします。
私達の浮き袋(肺)は、肋骨の上下運動と横隔膜の働きによって、膨らんだり、縮んだりします。普段の肋骨は、重力によって下がっています。つまり、肺は縮んでいるわけです。
このまま伏し浮きをするとどうなるでしょうか?確実に筋肉量の多い足の方から沈みます。浮き袋が小さいわけですから、沈んで当たり前です。
あなたはプールで浮く時、浮き袋を意識したことはありますか?最大にまで浮き袋を活用していますか?おそらく、男性の方はほとんど活用されていないと思います。
実際、男性の方が女性に比べ、浮くことに苦労しています。なぜでしょうか?
一般的には、男性は筋肉質で、女性は皮下脂肪が多い為と説明されます。しかし、意外と知られていませんが、次の事も関係します。
男性は、腹式(横隔膜)呼吸が主です。反対に、女性は胸式(助骨の上下)呼吸が主です。肺を最大に膨らますには、肋骨を目一杯広げる必要があります。(12月15日改訂)そして肋骨を広げたまま固定します。女性はわりと自然に出来ます。(個人差はもちろんありますが)
男性は、よっぽど意識しないと肋骨の広げ及び固定が出来ません。アワビ取りのあまさんが、女性なのは、こうした理由からなんですね。肺というものは、意識しないでいると、縮んでいく一方です。
次に、伏し浮きの留意点です。記事 03 で説明したように、下ごしらえをしっかり行います。それが終わっていることを前提にお話します。
まず、プールに立ったまま
背伸びをするように万歳し、
肋骨を広げながら胸のほうへ息を入れます。
その後息を止めます。
万歳しながら息を吸うと、わりと楽に助骨を広げることが出来ます。
※決して息をこらえないようにします。
そして、上体をまっすぐキープしたまま(ねこ背にならないように)前に倒します。手先が水面に着いたら、軽く底をけって浮いてみます。もちろん、足は揃えます。
肩をすくめるように前に出し、脇の下を伸ばすイメージを持つといいでしょう。
不思議と浮きませんか?大抵の方は浮きます。参考にしてみて下さいね。↓
それでも足がまだ沈みますか?
チェックポイント1 ・・プールの底を見ていますか?少しでも前を見ると、頭が水面上に出ます。首をリラックスして頭を水面すれすれまで沈めて下さい。
チェックポイント2・・ おしりの穴を閉めるような意識で、足全体を水面に引き上げる努力をしていますか?あくまでも、力を入れるのはおしりや足のつけ根です。足先を意識しないようにして下さい。
チェックポイント3・・お腹を凹ます。胴体を細長く引き伸ばすイメージを持つと自然に肋骨が上がり、お腹が凹みます。
※肩が上がらない人は、上がる所までで結構です。無理に水面に手先をキープする必要はありません。
それでも浮けないのであれば、プルブイを使用します。この補助具は、正しい姿勢感覚を知る為に役に立ちます。
浮けるのと浮けないのとでは、今後の技術の上違に大きく影響します。
伏し浮きは、肋骨の柔軟性に大きく左右されますので、日頃から万歳ドローインをされることをお勧めします。
浮く練習は、何度もくり返して、体にしみ込ませるしかありません。一回だけやって、出来ないと諦めると、永遠に浮けません。スポーツは、脳と体をくり返し使う作業です。くり返す程、体にしみ込んでいきます。
なお、足の浮くメカニズム及び、万歳ドローインについては、46記事で詳しく述べています。
あなたの体には浮き袋が入っています。必ず浮きます!
次回から、泳ぎのヒントを紹介したいと思います。あくまでも、気付きを得て頂くのが目的ですから、使えそうであれば試してみて下さい。
07 水泳の上違に必要な事とは?
ブログを立ち上げてから、文章ばかりで少々面白みに欠けていました。今回は動画を入れてみようと思います。
さて、上の見出しにあなたは何と答えますか?他のスポーツにも共通することですが、何が必要だと思いますか?
私ならこう答えます。「正しいフォームを目に焼き付けること」です。これはつまり、正しい体の使い方を頭にインプットするという意味です。予備知識なしに、何ができるというのでしょうか?
私は泳ぐだけでなく、ギャラリーにもなり、人の泳ぎを観察します。いわば人間ウォッチングですね。
その中でも、泳ぎがうまい人のフォームを、じっくり観察するのです。また、ネットでも動画をよく見ます。技術は盗むものなんです。
さらに、見るだけでなく、正しい体の使い方を、実際に真似してみます。しかし、水泳というスポーツは、自分のフォームを、自分の目で見ることができません。
そこで私のした事というのが、シャドースイムです。どういうことかというと、自分の姿を鏡でチェックするのです。
もし、あなたがビデオカメラを所有しているのであれば、自分の姿を録画して見るのもいいでしょう。
↓私のシャドースイムです。参考にしてみて下さい。
※プルは意識しません。力を抜いて、だらんと下げます。実際に水中でプルすると、重力がかからない為、軽く肘は曲がります。
また、エントリーの手の平は外に向ける必要は必ずしもありません。手の先を脱力すれば自然に外を向いてしまうだけです。決して親指入水!と意識しているわけではないんです。誤解のないように!
内旋の反動を利用したリカバリーを追求する為に、参考になる体操があります。広島カープのマエケンもやっているサークルスクラッチ。
これをやると体幹主導(腰の回転及び肩甲骨の動き)が学習出来ます。また、肩関節の内旋外旋もよくわかるようになります。この体操の動きをリカバリーに取り入れたのが私の泳ぎです。
サークルスクラッチと、私のシャドースイムを見比べると(特に後ろから見ると)、酷似していることがよくわかりますね。
私の泳ぎが、加速度的に上違するようになったのは、何度もくり返し、お手本となる人の泳ぎを見て、そのイメージでシャドースイムを続けたからです。
陸上で出来ないことは、水中でも出来ません!
理屈は要らない。体で覚えるのです。自分からやるんです。人に言われてすることではありません。
うまくなりたいからやるんです!
今の私は、これをプールの中で立って行います。そして実際に浮いて、そのままフォームを保って泳ぎます。
もちろん、浮けなけれは、このようなストロークの練習はできません。(そのためにプルブイがありますが・・。)
最後にもう1つアドバイスがあります。
水泳は、解剖学、生理学、運動学の知識があると、さらに理解しやすくなります。私の記事には、この類の言葉がよく出てきますよね?
水泳というのは、水中でどのように体を扱うかということです。体の扱い方を学習するには、まず体のしくみを知る必要があります。時間があれば、ぜひ勉強される事をお勧めします。
次回はいよいよ、浮く技術についてお話したいと思います。