キックなしでもクロールは泳げる!

医療従事者が水泳の常識にメスを入れていきます。

21 キックなしでラクに進む!

6キックなしで前に進む練習です。

18と19のドリルをマスターしてからやってね。

下半身が沈む人はプルブイを使用↓ 

プルする時は、肩の内旋を入れるのがポイントです。これは、キックなしクロールに限らずです。

教本では肘を立てるとよく言いますが、その通りにやっても私は、水の引っかかりがいまいちよくならなかった。(肩関節の可動域が極端に狭い為)そこで、体の扱い方を運動学的に考察した結果、内旋しながら引くんだ!と意識すると、引っかかりが良くなることを発見しました。あ、専門的な表現でちょっと分かり難いかな?

わかりやすく言うと・・前にピンと伸ばした(グライドした)腕を、脱力する。すると肘が若干曲がるでしょ?そうしたら、そのまま体幹の回転に合わせて肘を外に張り出して引くんです。※引く時は、決して脇を締めないこと!脇を締めると内旋しません。脇が締まっていくように見えるのは、体幹が回転するからです。

ちょっと待って!これじゃ手が大腿付け根までこないよ?胸の辺りで終わっちゃうよ?

それは、しっかりローリングしていないからなんですね。腕だけでプルするとそうなる。

あくまで体幹の回転に合わせて引くのが前提なんです。

体幹の回転引くという2つの動きがあるから、私のようなストロークになるんです。↓

 

http://www.nicovideo.jp/watch/sm27913622

 

 

 

 

 さて、

プルに使われる筋肉は広背筋です。(広背筋については47記事で詳しく述べています)一番パワーのある筋肉でプルすれば全然疲れません。

そしてもう一つ。プルの最後、肘を伸ばしきらないことです。フィニッシュをするなという意味ではありませんよ!お間違いのないように!

広背筋でフィニッシュ!

つまり、フィニッシュは上腕三頭筋では行なわないようにするんです。上腕三頭筋という小さな筋肉を使うとすぐバテます。長距離短距離問わず、スタミナ切れにならないようにする意味で、意識する筋肉を変えてみるのも一つの方法です。

 

補足!

私の言う『広背筋でフィニッシュ』とは、肘を伸ばし切ることではなく、肩(上腕)を内旋し切ることです。ちなみに私の場合、肩関節の内旋域がかなり狭い為、肩甲骨を挙上回旋させています。こうして上腕全体を内に捻っていけば、力を抜いた反動で自然に外旋(リカバリー)していきます。

 

 

広背筋に一瞬だけグッと力を入れ、すばやくプル動作は完了し、反動でそのままリカバリーする。SLの車輪をイメージすると解りやすいかな?大腿の横では、決して動きを止めません。止めるなら頭の横です(サメのポーズ15参照)。

 

 

この内旋によってバネの効いたフィニッシュ~リリースになり、力を抜いた反動で外旋(リカバリー)が可能になります。また、体幹が自然に回転します。ナチュラルに体と腕が連動するんです。

あれ!?前の記事では、重力によってとか、肩を前に突き出すとか、腕の落下などと言ってたけど?毎回言うことがコロコロ変わるけど?

実は、クロールという泳ぎは、左右非対象の運動なので、左右それぞれの動作が組み合って体幹が回転しているんですね。だから答えが複数あるんです。これについては、タイミングと題して後日取り上げたいと思います。

※ラクに速く泳ぐには、シュッと素早く斜め前方へ入水して、脇の下を伸ばすことが重要です。

 

次回は体幹を安定させ、さらに推進力を高める2ビートキックの話をしたいと思います。