キックなしでもクロールは泳げる!

医療従事者が水泳の常識にメスを入れていきます。

24 初公開!チャックさんのクロール

スイムビデオ

これは、私が初めて2ビートキックの練習をした時の映像です。まずは地上から。↓ 

[3kmのイーブンペースで泳いでいます]

次に水中から。2ビートキック練習前の映像↓ 

 同じく水中から。2ビートキック練習後の映像↓  

ビデオ解説

今回は、私自身の泳ぎを解説してみたいと思います。

まず全体的な考察から。なんといっても滑るように泳いでいます。DPSが長く、推進力がかなりあります。とても身長150cmとは思えません。これは抵抗の少ない姿勢が出来ているからです。腰もしっかり浮いています。また、左右の側の切り換えも適度な回転角で安定しています。ただ、首に力が入っている為、頭が上がりぎみになっているのが惜しい!あと、壁を蹴ってからの浮き上がりのストリームラインが、かなりあまいですね。頭を下げ腹筋にもっと力を入れて、まっすぐな姿勢を作る必要があります。

 

次に上半身(ストローク)。緩急のメリハリがあり、軸も安定しています。(頭の動きを見ればわかります。)これは2本のレール上にまっすぐ伸ぱしているから。さらに、肩甲骨を使って肩を前に突き出しているため、体重がしっかり脇の下に乗っています。

リカバリーはなめらかに見えますが、なぜだと思いますか?それは上腕三頭筋に力が入っていないからです。でも、ちゃんと広背筋でフィニッシュしてますよ!

ストローク全体として、肩甲骨がうまく使えています。(腰の回転角と肩の高さを比較するとよくわかります。)ここで間違えてほしくないのは、肩だけでローリングするのではないということ。腰をしっかり回転させることです。つまり、背骨はねじらないことです。肩甲骨を使って肩を水上に上げます。

改善点がないように見えますが、ちゃんとあります。肘がまだ緩んでいません。そしてもっと丁寧に入水すべきですね。水しぶきがまだまだ上がっています。

 

次に下半身(キック)。練習前は右足がつられて動いています。これが私のキックのクセです。なぜこんなクセがついてしまったかというと,長い間クロールを泳がず、バタフライばかり泳いでいたからです。つまり、ドルフィンキックの名残りなんですね・・。

話が少しそれますが、クロールの改善に取り組む前は、約2年間1500mバタフライを泳ぎ続けていました。当時の記録を見ると、1500mを35分、50mのストローク数が19となっています。こんな競技あるの?と思うでしょ?でもオーストラリアではあるんですね。出場してみたい気がする・・。話を戻します。

キックそのものは一瞬でスナップを効かせて打っています。蹴り終わりはしっかり両足が揃っています。つまり、足のストリームラインが出来ている。ちなみに足先が常に水面から下がっているのは、反張膝だからです。特に修正する必要はありません。※反張膝とは過伸展が容易に起こる膝です。水泳選手に比較的多く見られます。

 

この時の練習で意識したことは、右足の『がまんの足』

 

結果としてはギリギリで成功しました。なんとか我慢できています。ただ、ラスト10mになると、またすぐ元に戻ってしまっています。いきなりドルフィンキックが入って大きく泡が立っている。そして水中分解したかのように乱れています。

正しい2ビートが体にしみ込むには,まだまだ時間がかかりそうです。コツコツ練習あるのみ。

 

キック改善というのは、すごい集中力がないと出来ないんですね・・。ここからも、とても同時に2つのことは意識できないことがわかります。だから2ビートの練習時は、正しく体にしみ込むまでは息つぎを入れないのがポイントです。